2006年02月

2006年02月28日

ご馳走

 今日は、後輩の自宅で牡蠣鍋を「ご馳走」になりました。まさしくご馳走の名の通り、後輩は思いを「馳」せくれて「走」り回って、料理を作ってくれました。

鍋の画(2006.2.28)←牡蠣鍋です。白菜と水菜も入っています。水菜はとてもおいしく、また、紅心大根も入っていてとても美味しかったです!









雑炊の画(2006.2.28)←仕上げは雑炊です。その仕上がりの味付け具合は神のいたずらか!?というぐらい見事にばしっと決まっていました(笑)









 ご馳走してくれた後輩はとてもクールでできた後輩なので、後輩というより同志としていろいろ話します。今日はこれからの目標や未来にむけていろいろと食べながら話しました。
 その中でもやはり、大事なことは目の前のことをひとつひとつしっかりとやりきっていき、積み重ねていくことだということを話していました。自分がしたいと思ったことをしっかりとやりきり、積み重ねていく。自分で考え、話し、行動し、結果を出すこと、そういったことを一歩ずつ積み重ねていくことが大事だなぁということを話していました。

 料理もそうですよね。自分でこんなものが作りたいなと考え、そのために、料理方法を考え、食材を集め、料理し、作り上げる。自分が作り上げたいものに対して、どんな努力をしたらいいのかということを一つずつ考えて、こころを込めていかないと出来上がりがいい加減なものになってしまいます。自分の作りたい料理のためにしっかりと心を込めることができる一年にしようと、後輩の心のこもったご馳走鍋を食べながら、対話した2月最後の日のおいしい時間と鍋でした☆


2006年02月26日

食義40 如月編 「創る人と作る人」 2006年2月26日 奈良新聞掲載

 2月は如月といい、「衣」を「更」に「着」るぐらい寒いから「衣更着(きさらぎ)」から如月(きさらぎ)という名前になったと聞く。こうも寒いとどうにもこうにも億劫になりがちだが、寒さに負けず熱く活動をしていきたいと思うこの頃だ。
 
 さて、そのような中、私は熱い気持ちを持ちながら、先日、京都の伏見区にある和菓子工場に見学に行ってきた(私は大の甘党なので、笑)。多くの人々が食べている食品がどのような現場を通して作られているのかを自分の目で見ることが目的である。工場はかなりの規模で、また、和菓子業界では屈指の清潔さを誇る管理された設備を持ち、衛生面の完備は素晴らしいものがあった。和菓子の製造もオートメーション化されており、数箇所(箱つめ、出来上がったものの梱包など)のみ人の手が入って作っていた。一日につくる和菓子の総量は110万個とかなりの数である。私はそれらの作業工程を詳しい説明を受けながら見学を行った。そして、一通り終わった後に、作られた和菓子の試食をさせて頂いた(これが目的での見学です、笑)。

 製造工程の際にいろいろと製造に対する工夫を聞いていたので楽しみに試食させてもらった。みたらしだんご、黒糖まんじゅう、酒まんじゅう、どら焼き等々を試食させてもらった。なるほど、どれも甘さがあっさりとしていて、くどくもなく素材の風味が活きていてなかなかのお味である。販売価格にしてもとてもお手ごろでお求めやすい。多くの人が気軽に美味しく楽しめる味だと思って感心していた。しかしながら、私はこのお菓子を食べながら思うところがあった。それは、「何か」一味足りないということだった。「なんだろう?実際に作っている工程を見て、詳しくお話も聞いたのに」と私は思っていた。そして、ふと思ったのだ。「何か」が足りないと感じたことは、「創っている人」と「作っている人」が違うということではないのかと。

 ここでいう「創っている人」というのは、こういうお菓子を作りたいと思い、考え、描き出す人のことである。一方、「作っている人」というのは、製造現場で作業をしている人とオートメーション化された機械のことをいう。もちろん、私が見学に行った和菓子工場のシステムが悪いといっているわけではない。多くの人に、よりいいものをより安く提供していくということはとても意義のあることだ。むしろ、一定した品質のものを作るには、こういった方法が適していると思う。だが、食べ物に関していうと量を多くしてしまうと質がどうしても落ちてしまうと思うのである。ここでいう質とは、単なる科学的な品質ということではなく、人が心から感じる味やあたたかい思いといった目には見えないものの食べ物がもつ質である。

 私達は何かを美味しいと思うとき、いろいろな条件のもとでおいしいと思う。それは、大好きな人が作ってくれた料理、自分が良く知っている人が作ってくれた食材から作った料理など、私達が本当に心から美味しいと思うものの多くは人の「つながり」や「思い」を肌で感じるものではないだろうか。そして、その美味しく感じるものを創っている人と作っている人は基本的に同じだと思うのである。

 本当に心から美味しいと思い、心が満たされる食べ物は、創っている人と作っている人が同じだなぁとあらためて思い、そういうものを日頃から食べることができていること私の今にあらためて感謝を衣更着(きさらぎ)た熱く厚い一日だったのである。



2006年02月22日

光のみえる日

 今日は、いつも懇意にてしてもらっている清澄の里『粟』で奈良県立大学の後輩達の就職・進学祝いでごはん一緒に食べました。お店で食べさせてもらうのは久方ぶりだったのですが、やはり、美味しかったです☆

『粟』の前菜←左下から、紅芯(こうしん)大根のおつけもの、きんぴら、かぼちゃの煮物、ウーハンの揚げ物、大和マナの土佐酢漬け、ブルーベリーのジュース、生湯葉の大和芋おろし付き、サツマイモのレモン煮、れいちゃのゼリー寄せ、たかきびんのパイ包み焼きです。特に大和マナの土佐酢漬けは絶品でした!





『粟』のこんにゃく←自家製のこんにゃくです。右にあるのがこんにゃく芋です。










『粟』の黒豆ごはん←黒豆ごはんに椀物、汁物、揚げ物と続きます。










 今日は天気も良く、晴れ晴れとした天気で、そして、料理も美味しくてみんなにこやかに会話を楽しみました。自分でいうのも恐縮ですが、僕の後輩(というよりも同志)たちは、本当にしっかりとしています。自らに夢をもって、ちゃんと未来へ道を自らで切り開いて作り、この春から東京、長野、大阪、兵庫、奈良等々に旅立っていきます。

 少し寂しい気もしますが、後輩たちを見ているとその未来に大きな飛躍と成長を感じるとともに、自分も負けてられへんな!と思います。しばらくは一緒にごはんを食べることはできないと思うけど、奈良を旅立つ前にこうして『粟』で美味しいごはんを食べて、語れたことがとてもとても嬉しかった心にも美味しい『粟』でのお昼ご飯でした。

『粟』にて記念撮影←記念撮影です(『粟』のスタッフの手塚さんに撮って頂きました。料理とともにありがとうございます)。
 勝手に『粟』におかれている大和伝統野菜をもたせて頂きました(笑)みんないい顔です!



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2006年02月20日

器とお昼ごはん

 今日は一日ゆっくりとしている日なので、のんびりと家でお昼ご飯を作りました。

ハンバーグ定食←手前から左回りに、煮込みハンバーグ、ばーふりかけごはん、菜の花の和え物です。









 ちょっとおしゃれに(かな、笑)お店風に盛ってみました。これだけで、ぐっと豪華になった気がするから不思議なものですね。のんびりと器に盛って頂く休日のお昼ご飯は心の栄養になります☆


2006年02月16日

ふたごの苺

 今日、福岡県産のあまおうを食べました。あまおうは、「あ」かい、「ま」るい、「お」きい、「う」まいの頭文字ととって「あまおう」ということです。

 そのあまおうを食べている時にふと、ふたごの苺がいるのに気付きました。

福岡県産のあまおう←ふたごの苺です。











 同じへたに二つの実がついているのにはお得(徳)感を感じました☆いろいろな人がいるように一口に苺といってもいろいろな苺があって、一つとして同じ形のものはないなぁと思って、敬意を表して頂きました☆

 ところで、僕達に身近な苺ですが、その栽培が始まったのは明治30年代で、福羽逸人(ふくば はやと)という方がオランダから苺の苗を輸入し、改良して行ったと聞きます。なんでも最初にした人はすごいのいちご(一語)に尽きます。お後がよろしいようで(笑)



syokugi at 20:24|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!食の学び 

2006年02月14日

バレンタイン

 今日はバレンタインですね。おそらく日本でもっともチョコレートが消費される日だと思います(笑)。
 僕はこういった人が勝手に決めた日というのはあまり好きではないのですが、甘党の僕はバレンタインは甘いものが食べられるからよし!などと勝手なことを思ってしまします(笑)
 とはいえ、収穫のあてがあるはずもなく(苦笑)、例年通り母親からチョコレートケーキをもらいました(笑)

チョコレートムース←生クリームと溶かしたチョコレートを混ぜました。作っていたのは母親ですが、「ちょっと手伝って」となぜか手伝わされ、「なんでバレンタインに男の俺がやってるねん!」といって家族で大笑いしました(笑)







チョコレートケーキ←チョコレートケーキの完成です。










 出来上がったチョコレートケーキはちょっと雑でお世辞にも綺麗とはいえないです(笑)。けど、家族と作ったケーキはとても美味しかったです。笑いながらのいいバレンタインでした☆


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2006年02月12日

カレーの思い出

 先日、大阪の天保山にあるくいしんぼ横丁というところに足を運び、自由軒というお店でカレーを食べました。普通のカレーとは違って、あらかじめごはんとカレーが混ざっていて、その上に卵を落としてかき混ぜて食べます。

自由軒のカレー(2006.1.1)←自由軒のカレーです。以外と辛いのです(笑)










 僕にはこのカレーに思い出があります。昔、小学生の時に父親と一緒に大阪の難波に映画を見に行ったことがありました。その帰りに、難波にある自由軒本店(当時はここだかありませんでした)でこのカレーを食べました。本店は「洋食屋さん」という雰囲気をそのまま醸し出している店で子供心にわくわくしながら、「洋食屋さんのカレー」を食べた記憶があります。それ以来、じつは20年ぶりに食べたのです。当時とは場所は違うけど、「俺もおおきくなったなぁ」なんて感慨にふけながら食べました。おおきくなったのは身体だけとはいわれないようにしないとなとも思いながら(笑)


2006年02月06日

こころのケーキ

 私事で恐縮ですが、今日は僕にとって新たな未来にチャレンジするとても大事な日でした。天下負け目の大決戦、運命の岐路とも言うべき日でした(ちょっとおおげさかな、笑)

 そんな思いで、家を出て帰ってきたら甘いものをがありました。パウンドケーキです。干し柿を細かく切ってちりばめたパウンドケーキでした。家族の一人が作ってくれたのです。ケーキの横には手紙がありました。「あまいものいっぱい食べてゆっくりしてください」と。手にとって包み紙をとり、ゆっくりと口に運び、かみ締めました。「うまい・・・」本当にとてもとても美味しいケーキでした。

 僕にとっての大事な日に、こうしてケーキを作ってくれたということがとても嬉しく思いました。柄にもなくケーキをまじまじと見て、「俺のことを思ってくれて、作ってくれたんだろうな」しみじみ思い、作ってくれた家族の姿を思い浮かべました。見た目はどこにでもあるようなパウンドケーキ、でも、今日のこの日に、このタイミングで、思いをこめて作ってくれたケーキは世界一美味しく感じました。僕達が「おいしい」と感じるのは本当に「こころづかい」が大事なのだとあらためて思った幸せな一日でした。


2006年02月04日

春に立つために

 今日は立春ですね。お昼は雪がけっこう降っていてほんとに立春!?といつもこの時期は思ってしまいます。昔の人はどういうことを思って、立春と名づけたのだろう?こんなに寒いのに・・・と思いますよね。

 けど、昔の人は長い長い冬の寒さを今とは違う感覚で乗り切っていたと思います。当然ながら昔は暖房器具などはありませんし、本当に寒かったと思うのではやく春が来てほしいと今の人とは比較にならないぐらいの気持ちで思ったんだろうなぁと思うのです。その時代の人の気持ちに立てばきっと立春にはそんな思いが込められているのかなと思います。
 
 それに立春から大体一ヶ月ぐらいするといろいろなところで春の兆しが見えてきます。もしかして、立春というのは今まで冬の寒さに眠っていたいろいろな生命が「さっ、春に向けて立つ準備をしようかな」と思いはじめる時かなと思います。春に向けて、一ヶ月かけてじっくりと準備体操を「し始める最初の日」、それが立春かなと思うのです(あくまで私見です、笑)。

 春は菜の花、せり、ふき、たけのこ、アスパラガス等々、生命の息吹を感じる食べ物が多いので、これからしっかりと春に向けて準備して下さいねと応援してしまう立春です。けど逆に、あなたも春にしっかりと立てるように準備しなさいよ!といわれそうですけど(笑)


2006年02月03日

節分の日

 今日は節分ですね。今日ほど海苔が消費される日は一年でないと思います(笑)
 今年は、南南東に向かって食べるみたいですが、この風習はじつは関西以外ではあまりないというのを以前に知った時は驚きました。関西という井の中の蛙だったようで(笑)
 ところで節分にこのようにして食べることはいつからか?そのいわれは?ということは定かではないようです。どうも海苔業界が創造した伝統のような気がします。けど、伝統とはこうして創られていくものだと思います(例え、海苔業界の戦略だとしても、笑)。それに、家族そろって口いっぱいに海苔巻きをほお張る家庭が今日の夜は多いと思ったら何か幸せな感じがします☆それに例え、海苔業界の戦略だとしても、日本の大事な食文化である海苔を見つめなおす機会にもなります。

 恵方を向かって食べることが、日本の海苔を大事にしていくことになると意識しながら食べれたら、もっと美味しい海苔が食べれるようになるかなぁと思いながら、無言で恵方に向かって海苔巻きを食べました☆


2006年02月01日

如月とおふくろ

 雨ではじまった如月ですね。如月は「衣」を「更」に「着」るぐらい寒いから「衣更着(きさらぎ)」という名前になったと聞きます。これからが、冬本番の一ヶ月という感じがしますね。

 さて、そんな時期には根菜野菜を食べてあたたまるに限ります。僕は本当に食べ物に運があって(笑)嬉しいことにいろいろと美味しいものを頂く機会によく恵まれます。先日も「おふくろ大根」なるものを頂きました。

おふくろ大根←おふくろ大根です。なぜおふくろ大根というのかはわからないんおですが、なんとなく「おふくろ!」と感じさせる風貌です(笑)









おふくろ大根の煮物←鶏肉と一緒に煮ました。おふくろ大根は中身が「ぎゅっ」としていて密度が高く、香りは少し辛い香りがするものの、食べればやんわりとした甘味が口の中にひろがります☆







おふくろ大根づくし←手前から鶏と大根の煮物、大根の葉と実をごま油で炒めたもの、切干大根とおふくろ大根をまぜて、豚肉で炒めたもの、です。大根づくしです(笑)








 これだけ、大根をかさねて食べれば如月はきさらぎなくてもあたたかく過ごせそうです☆
 ちなみにおふくろ大根だけにおふくろに(笑)全料理を作って頂きました。多謝多謝。