2009年07月

2009年07月31日

研究会

 本日は、くらしと協同の研究所で行われている研究会参加で京都の丸太町に行きました。
 午前中は大学によって、いろいろと論文にまとめる調査データのまとめと研究助成申請書を書いて、のんびりすごし(クーラーが適度に効いていたので、笑)、午後から研究会に足を運びました。

 研究会は、前回のシンポジウムの報告やこれからにむけての検討、今後の研究会での取組みなどを議論しました。それにしても、シンポジウムから約一ヶ月、あっという間のような、もうかなり前にやったような感覚が同居します(笑)。そんなところ、研究会の参加者されている方から差し入れを頂きました。

Image779←山梨県産のすもも、貴陽(きよう)です。











 山梨のご実家で作られているというのをお裾分けして頂いたのですが、これがまた美味しい!今年食べた今日までの食べ物の中で、一番の衝撃を受けました。食べた瞬間にまず、ふわっとた甘味を中心に口の中いっぱいに広がり、食べるにつれて酸味がほどよく顔を出し、最後には切れのある酸味が口の中に残って消え、後口がとてもさわやかなのです。
 
 また、写真でみてもわかるのですが、一つが僕の握りこぶしぐらいあって(わかりにくいですが、苦笑)、すももとしては、異例の大きさです。
 貴陽は、中心が甘く、外にいくほど酸味があるので、一口でばくっと食べると口の中でまず甘味がひろがり、そのあと、外側の皮にむかって酸味に変化するので、一口で多様な味を味わえるのがびっくりでした。

 あまりに美味しかったので、少し調べてみると、山梨発の新しい品種として、平成8年(1996)から作られているもので、栽培農家の数も少ないとのこと。しかしながら、この貴陽の味には驚きました。と、同時にこうした美味しい果物を作っている現場を知りたくなりました。ぜひ、近いうちに山梨に足を運んでみたいと思います☆



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2009年07月30日

ライブとフィルター

 先日、お仕事をさせて頂いているNPOの活動の一環として、奈良テレビ放送局に足を運びました。以前にもお話させて頂いたひしおの地域ブランド化の件で、奈良テレビ放送から依頼があってのテレビ出演です。

 僕の不細工な姿はとてもお見せできませんので活動記録係として(詳細はこちらをご覧下さい☆)、お伺いさせて頂きました。テレビ局の放送現場には初めて訪れたのですが、なぜかはじめてのような気がせず(笑)、打ち合わせをスタジオでのリハーサルに参加(後ろから、笑)しました。
 放送は生でしたが、無事にひしおのPRができてなによりでした☆(ちょっと放送時間が短かくて残念でしたけど)。
 
 ところで、奈良テレビ放送にお伺いして、いろいろとスタジオのやりとりや打ち合わせをさせて頂いたのですが、その中でとても印象に残ったことがありました。放送の打ち合わせの時だったのですが、ふと、後ろから、オーケストラが聞こえてきたことです。
 といっても、もちろんオーケストラではなく(笑)、奈良テレビ放送のアナウンサーの方が原稿の読み合わせをしている声でした。けど、オーケストラというのは決しておおげさではなく、その方の口から間違いなく声がでているのですが、打ち合わせの部屋全体に、やさしく、のびやかに、しずかに、そして、ほんの少しのやわらかな重低感をもち、それが幾重にも重なるような感じで響いていました。

 人はここまで声に磨きをかけるのかと感心し、僕の声を出すのが恥ずかしくなったほどです。以前からその方がアナウンサーとして奈良テレビでニュースを読んでいるのは何回か聞いたことがあったのですが、やはり、生の声は違いました。
 と思うと同時に、もう一つ思ったことがありました。それは、この声の素晴らしさが、マイクを通すと十分の一もでていないということです。なんと柔らかで素晴らしい声と思ったのに、マイクを通すとその声が伝わりきれていないと僕は思いました。

 アナウンサーのお仕事はマイクで声を通してこそのお仕事です。しかしながら、そのマイクというフィルターが、かなりの部分をそぎ落としているように僕は思えてなりませんでした(あくまで素人感ですが)。
 もちろん、逆もあると思います。失礼ですが、普段の声があまりよくなくても、マイクを通す事で、活きてくるという声をお持ちの方もおられると思いますし、例えマイクを通した声が悪くても、そこは努力することで改善もされることもあると思います。

 大事なことは、自らがもっている素材をどのように料理していくかということだなぁと思うのです。決して悪口ではありませんが、テレビ放送をしてもらったひしおも、ひしおのもつ価値が伝わりきれなかった部分も多くありました。もちろん、時間枠であったり、どのような切り口で紹介していくかといったことに紹介する人がどれだけ思いを込められるかといったことの制限があったりと、いろいろな環境条件はあります。

 前回のブログでも書きましたが、そうした環境条件にどのように合わししつつ、自分を活かせるかということを考え続けないと、真にそのものがもつ価値を伝えることは難しいなぁと思いました。

 当たり前ですが、ひとつひとつが勝負です。



2009年07月28日

『日』『食』

 暑い奈良を満喫中(笑)の僕ですが、先日、皆既日食がみれましたねって遅いニュースですね(笑)
 
 そんな僕の遅い皆既日食なのですが、いろいろと皆既日食関係のニュースや映像を見ていて感じた事がありました。最も長い時間、皆既日食をみることができたであろう悪石島での実況中継でのことです。
 ご存知のとおり、皆既日食当日の悪石島は、大荒れに荒れた天気になり、皆既日食という一大天体観測に悪石島に訪れた方々は、相当期待して行かれたと思うのですが、その皆既日食がみれない状態になりました。しかしながら、みなさんの表情や語りは、とても満足感に満ちていました(もちろん、メディアの発信の「仕方」による印象も関係ありますが)。

 皆既日食を一番長くみたいと思う方々ですから、天体観測に理解は十二分にある方々ばかりが集まっていることと思いますので、悪天候も自然のうちと理解するお心は当然お持ちだと思う反面、やはり悔しさもあるのではないかと思っていました。しかしながら、僕がみたメディアに関してですが、そうした印象はほとんど受けませんでした。

 僕が思ったことは、例え、皆既日食が「見れなくても」、自然のありのままの状況に逆らわず、受け入れて、その中で皆既日食を「感じる」という楽しみ(皆既日食の「見」方ではなく「感」じ方)をその身をもって体感されたから、悪石島に訪れた方々は満足されたのかなぁと。
 加えて、悪天候はどうしようもないことなのですが、ありのままの状況を自然と捉えて、受け入れる力は本来、日本人がもっている自然観かなぁとふと感じました。

 皆既日食がみれずにくやしいということはもちろん思うかもしれないけど、それが「自然」であると感じれば怒りはなく、むしろそうした自然のいとなみに組み込まれながらも、その組み込まれた中で自身がいかに楽しむかということを見出された気持ちが、メディアを通じて僕に伝わったのかなと思いました。

 悪石島での皆既日食の感じ方のように、自分の身の回りに起こるいろいろな「自然」を受け入れて、その中でその自然とどのように向き合えるかということを感じ、その身で実践していくことは、10代、20代、30代に少なく乏しい感覚だなぁともふと思いました(もちろん、その最たるのは僕ですが)。
 
 皆既日食の場合の自然は、自然環境のことですが、社会の中においても「社会の自然」はあります。その自然を受け入れてその中で自然に争わず(時には必要だと思いたいのですが)、どうしていくか、「自然」に対して何もできないけど、その中で何を見出していくか、どのように自然に対して感じ振舞えるかといったことと、皆既日食の感じ方がリンクしました。
 もし僕が悪石島に行って、皆既日食が見れなかったらおそらく…(怒!)と思うと、事の「理」を適切に「料」るには、まだまだ遠い道のりだなぁとつぐつぐ思います。


2009年07月22日

観光資源論 in 高崎経済大学

 昨日、一昨日と群馬県高崎市にある市立高崎経済大学で観光資源論の講義をするためにお伺いしました。以前から、研究会・学会などを通じて親しくさせて頂いてお世話になっている先生からご縁を頂いてのゲストスピーカーとしての講義です。

 奈良からは在来線、新幹線を乗り継いで4時間半ほどで高崎経済大学最寄り駅の高崎駅に到着しました。高崎は新幹線が通っていることもあって、駅前は県内で一番栄えているというのは、高崎駅内にあった観光案内所の方のお言葉。福田康夫、中曽根康弘という日本の総理大臣として知らない人は少ないほど有名な方も輩出しています。

 高崎に到着したらまずは…高崎のごはんを頂きます☆です(笑)
 事前に高崎経済大学の先生からおすすめを教えて頂き、そのおすすめのお店に足を運びました。

Image661←高崎駅から歩いてすぐのところにある「きのえね」です。










Image663←最初はざるそばを頂きました☆












Image664←続いて(笑)かけうどんを頂きました☆











 群馬県は小麦の生産量が全国4位(24,800t)と多く、その関係で小麦を使った料理が盛んな土地柄だということで、その中で地元産の小麦粉を使ってうどんやそばのつなぎにもよく使われています。頂いた感想は、歯ごたえはあるのですが、しゃくっと噛み切れてやさしいうどん・そばだなぁと感じました。
 ついで(笑)訪れたのは、

Image668←栄寿亭というカツ丼を食べさせてくれるお店です。










Image667←揚げた上州豚のカツに和風だしをさっとくぐらせてごはんの上にのせたカツ丼です。










 こうしたカツ丼の背景には、高崎が代々、お商売の町として栄えてきたという背景があり、すぐに食べられるものが好まれてきたということを高崎経済大学の先生からお聞きしました。
 そのお話を受けて思ったことは、栄寿亭に入った時に感じたのは、とても地元の雰囲気を醸しだしたお客さんが多いという印象でした。一方、きのえねは、どちらかというと観光で来た人と地元の人と半々ぐらいの印象を受けました。ちなみにきのえねさんが地元の小麦を使ってうどんをつくるようになったのは、平成17年からというこで、お店にいるいろいろな人々を通じても、その食と地域との関係性の片鱗が見れます☆
 
 お昼ごはんを食べた後は、ホテルにチェックインして、高崎経済大学の先生と合流して、高崎市内をご案内して頂きました。そこでおやつに高崎でポピュラーな焼まんじゅうをご馳走になりました。


Image673←焼まんじゅうです。小麦とイースト菌を使って蒸してふわっとした食感のまんじゅうを作って焼き、黒砂糖や水飴を使った濃厚な味噌ダレをぬって頂きます。








 食感は、むしパンとマシュマロの中間のような食感で口当たりがとってもソフトですが、しっかりとした食べ応えがあります☆甘いタレも良し☆で、甘党の僕にとっては発見な甘菓子です☆
 こうした小麦粉をつかった食べ物が多い背景には、二毛作とうで小麦をよく作っていたという歴史がある群馬の風土と関係していると思います。ほんとは、そういう地域とのつながりの中で、今の食のことを食べながら知りたいなぁと思うのですが、なかなか難しいですよね。けど、それって、その地域で食べるという観光での食において結構重要と思うのは、僕だけでしょうか。

 そうしていろいろご馳走になったのですが、もう一品☆ 

Image676←たいやきです。なぜたいやきかというと…












Image675←小麦粉の部分が、かなり厚いのです!関西では、中身のあんこの方が多いのですが、これも地域ならではのものですね☆









 
 こうして一日目はいろいろと高崎の食を堪能しました。
 そして、ゆっくり休んで高崎経済大学に足を運びました。


Image679←高崎駅からバスで20分ほどで到着です。












Image680←中に入っていきます。












Image682←講義をさせて頂く棟です。












Image681←講義前の風景です。









 最終的には、この教室がほぼいっぱいになって、大体150人から200人ほどの受講生の方々が来られ(緊張しました…)ました。
 お話させて頂いたのは、食文化を観光資源として捉えて観光を行う食文化観光についてです。私達が普段、意識しない中に存在する食の文化の部分を活用して創り上げていく観光と捉え、そうした普段意識しない(しにくい)食文化をどのように意識化し、人々に見せていくには、どのような概念と作業が必要かということを事例を通じてお話させて頂きました。

 受講生の方々はみなさんとても真剣に聞いて頂いたのがとても印象的でした(時折でる関西弁が受けたのも印象的でした、笑)。
 その後は、お呼びして頂いた先生の4年生のゼミにも参加させて頂いて、ちょうど卒業論文作成の時期なので、僕の拙い卒業論文の体験談を参考までにお話させて頂きました。大学学部生にとって、もっとも大事なのはゼミと卒業論文であるというのが僕が思っていることです。
 
 これは奈良県立大学時代の恩師から頂いた言葉を継承しているのですが、自分の思っていること、課題としたいものにじっくりと考えて、さらに、ゼミですから、同じ様な問題意識を共有している学びの同志達と考え合えるというのは、己を高めていける最良の場であると思っています。そうした環境に身をおけ、研磨できる喜びは何事にもかえがたいものだと、僕は学部当時、実感させて頂きました。
 
 その思いからか、少々、熱っぽくお話してしまいましたが(笑)いろいろとゼミ生の方々の思いを聞けて、僕も得るところとても多かったです。1泊2日でしたが、一週間ぐらいいたよう濃密な時間を過ごさせて頂きました。高崎経済大学にはまた秋にある学会でお世話になる予定なので、またお伺いするのがとても楽しみです。


2009年07月19日

後輩

 今日は、奈良県立大学時代の後輩の結婚式の2次会に呼ばれて足を運びました。
 大学では、バスケ部の先輩の後輩の中で汗を流した後輩が結婚ということで今度は涙が…流れませんでしたけど(笑)嬉しさと幸せ感が会場いっぱいに流れていました☆

Image647←ケーキ入刀のシーンです。いいですね☆






ゆっくりと

 今週一週間は、外に出っ放しで長距離移動(おおげさかな、笑)で動き回った一週間だったので、滞っていた執筆関係の仕事と今週得た資料の整理をしていました。

 今日も一日熱い一日でしたが、快適な部屋の中で、というわけにはいかず(笑)やはりは暑かったのでうちわであおぎながらお仕事をしました。
 夜は久しぶりにバスケをしにいって汗を流してさっぱり☆といいたいのですが、練習後は汗がとまらず、身体は熱気につつまれて続けてしまいました(笑)

 梅雨明けももう少しですが、しっかりと食べて乗り切らないとですね。

Image402←関西の夏といえば鱧。天ぷらにして頂きました☆







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2009年07月17日

奈良わさび

 今日は奈良県で数少ないわさびを作っている野迫川村の野迫川村林業研究会の皆様にお話を聞きに足を運びました。
 奈良市内から車で2時間半ほどの距離にある野迫川村ですがは、奈良市内より高地にあるので、かなりひんやりとした清涼感ある空気に包まれいました☆

Image619←わさびは清涼で清冽な水の中で育ちます。野迫川の山奥にあるわさび田を登っていきます。












Image613←わさびが綺麗に並んでいます☆こちらのわさびは植えてから一年経過したわさびで、もう一年育てて来年収穫予定です。










Image618←ご好意でひとつみせて頂きました。これからまた成長していくのですが、これもまたご好意でこちらのわさびを頂きました☆










 野迫川村のわさび田に訪れるのは初めてでしたが、野迫川の山々と水とわさびの美しさにすっかり魅せられました。驚くほど水量も豊かで、わさび田の水を手酌で飲むとなんと美味しいことか☆
 こうして美味しいわさびを作っている野迫川村林業研究会の方々はわさびのオーナー制度などの取組みを行い、活発な活動をしております。
 
 本日も奈良の食の活動をまたしっかりと捉えることができて(もちろん、まだまだですが)とても幸運な一日でした。
 自分の行動の肯定ではありませんが、こうしてひとつずつ奈良の食の現場に足を運ばせてもらい、自分の中に実感としていれいくことは、自身が奈良の食を発信していく時に必ずや力になってくれると思っています。

 こうしたフィールドワークは決して惜しんではなりませんよね。これからもまたひとつひとつの奈良の食のもつ躍動感を捉えていきたいと思います。



2009年07月16日

奈良の『食』発見ツアー 「湯葉と大和茶」

 今日は梅雨の晴れ間のもと、『なら食』研究会で行われた奈良の『食』発見ツアーで奈良の湯葉と大和茶を学びに訪れました。

Image536←豆乳からすくいあげられた湯葉が精悍に並んでいます☆













 湯葉は中国から伝わったものとされ、今も昔も精進料理と大きな関係をもっており、奈良のお寺の食にも欠かせない食のひとつです。今や奈良県内でも湯葉をつくっているお店は数少なくなってしまったのですが、その湯葉から奈良という地ならではの食の文化を感じました。

Image394←お昼ごはんは、明日香村にあるcafe ことだまで頂きました。明日香産のお野菜を使った創作料理を頂きました☆











Image537←お野菜とトマトの冷スープです。









Image539←明日香産のお野菜を使ったおかずに☆









Image540←黒米入りの炊き込みご飯です☆








 美味しいお昼ごはんを頂いた後は…

Image547←都祁になるお茶農園に行きました。晴天の中、大和茶がまぶしく光っています。









Image582←お茶の葉をつんで天ぷらにすると、爽やかな苦味が美味なお茶の天ぷらになります☆









Image581←摘ませて頂きました☆そのまま口に含んだら、とてもさわやかで清涼感があります。












Image579←参加者の皆様も熱心に摘んでおられました。







 快晴の中、奈良の『食』発見ツアー参加者の皆様と、奈良の食と文化に触れえたよき一日でした☆



2009年07月15日

研究調査 in ならまちセンター

 今日は、奈良市内にあるならまちセンターで行われた奈良県調理技能向上展示コンクールの会場で調査を行いました。プロの方を中心に、奈良の食文化であるひしおについてのアンケート調査です。。『なら食』研究会としてひしおの地域ブランド化に関わりながら、いろいろと奈良のことについて微力ながら考えてきましたが、いよいよひしおの地域ブランド化も最終段階へと突入している感じがあります。

Image480←奈良県内のプロの料理人の方々のお料理がずらっと並べられ、料理人の方々はもちろん、一般の方々も多く来られていました。





 地域ブランド化というのは、全国各地で行われています。僕の知るところですが、そのほとんどは、商品の単品開発として、商品が美味しいであるとか、見栄えがいいとか、その地域で取れたもの、作ったものを地域ブランド化の売りとして強調しています。もちろん、それは悪いことではありませんが、ひしおの地域ブランド化においては、奈良でつくり、奈良で買い、奈良で見て、奈良で食べることに意味をもたせていこうという新しい地域ブランド化の取組みだと分析しています。

 これからの奈良の食にとって大事なことは、「奈良(という文化の中)」で「食」べるということにどれだけ意味をもたせることができるかということだと思っています。
 これだけ流通が発達した世の中において、その地域で食べるということに意味をもたせて、地域ブランド化していくことは奈良のリーディング産業である観光の振興にも大きくつながります。

 だからこそ、その形成過程に織り成すダイナミックな営み、やりとりに注目しなければなりません。ひしおのアンケート調査もその中のひとつで、アンケート調査ひとつにしても、ひしおに関係する様々な人々に影響を与えています。一研究者として、そのプロセスの中に身を置けるのはとても幸運なことです。こうした研究が奈良のために役立ればと、アンケート調査をしながらいろいろな方々のお話を聞いて思いました☆
 こうして自分自身がそう思えるっていう過程が、取り組んでいるそのものに魂を吹き込むためにとても大事だなぁと思うのですが、ちょっと青くさいでしょうか(笑)



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2009年07月14日

なら学談話会

 本日は、以前、観光社会文化論講義にて共著でお仕事をさせて頂いたり、奈良県立大学の先生方が主催で開催されている「観光と社会・文化の研究会」でご縁を頂いたりして、お世話になっている奈良女子大学の先生からお声がけを頂き、奈良女子大学文学部なら学プロジェクト主催で行われたなら学談話会で観光における食文化のこれまでの見方と新しい展開についてお話をさせて頂きました。

 なら学談話会は、いろいろな研究をされている方々が奈良のことについて様々な角度から読み解くことを目的にした会で、今回は、奈良女子大学文学部の授業である「なら学概論」のゲストスピーカーもかねての発表としてお話させて頂きました。

Image472←こちらでお話させて頂きました。








 お話させて頂いたのは、奈良で食文化を観光の資源として創り上げ、具現化していくにはどのようなことが大事なのかという観点で、奈良の食文化・食産業を紹介しつつ、新しい見方としての観光における食文化の活用について発表させて頂きました。
 発表では学生の方や学外からも来ておられる方もおられて皆様、とても熱心に聞いて頂いてくれました(もちろん、僕の力量不足はぬきにしてです、苦笑)。まだまだ言い足りなかったことや、貴談話会の主旨に添えたかは疑問ですが、貴談話会と来て頂いた方々のために精一杯精進はさせて頂きました。
 
 とはいいながらも、反省点も多く、もっとこうやって話せばよかったなぁとか、ここをもう少し丁寧に話せばよかったといったことがあとからあとから…
 まだまだ未完成な持論でしたが、それでも、熱心にお聞きして頂いた雰囲気を感じ、さすがは西の奈良女子大学、東のお茶ノ水大学と評される日本の2大女子大学のひとつだと関心しました(ほんまに!)。

 熱心に聞いてくれる方々がおられてこそ、新たな気づきや飛躍の力をもらえます。今回、お話させて頂ける機会を頂けたことがとても嬉しく思いました。また、発表終了後も熱心な学生さんが質問に来られて、その意欲に関心させて頂きました。

 終了後は、今回、ご依頼を頂いた先生と一緒に晩ご飯を食べにいき、ご馳走になりました。その席でいろいろと研究のお話や奈良の観光について熱く語り、とても楽しい時間を過ごしました。ありがとうございました☆


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2009年07月11日

研究会 in 奈良県立大学

 本日は母校で行われました『生活空間の内発的再生』研究会に参加させて頂き、「生活空間」の領域論-空間的視点から玉野井芳郎「地域主義」を読む-というタイトルで奈良県立大学の古山先生のご発表を中心に、参加者の皆様と活発な議論をさせて頂きました。

 母校での研究会の参加はひさしぶりだったのですが、やっぱり母校はいいですよねぇ。大好きな母校で研究会をできるというだけでも嬉しさがこみ上げてきますって愛しすぎでしょうか(笑)
 研究会では、奈良県立大学の先生方をはじめ、いろいろな方々が参加されていまして、様々な角度からの議論ができました。初めてお話させて頂く方々が多かったのですが、とても気さくにいろいろとお話させて頂いて、議論を深めることができました。

 『生活空間の内発的再生』研究会は、故玉野井芳郎先生の地域主義という概念(一定地域の住民がその地域風土的個性を背景に、その地域の共同体に対して一体感をもち、地域の行政的・経済的自立と文化的独立を追及することをいう。玉野井芳郎『地域分権の思想』より)を読み解いて議論する形で行われているのですが、地域主義の発想はまさしく今現在、もっとも受け入れられる考え方のひとつだと思います。
 こうした議論を玉野井先生は1977年に唱えておられましたが、時は経済成長の真っ只中。地域主義の議論は時代の中においては「早かった…」といわれますが、一流の研究者は、課題が出る前に課題を見つける方だと切に思います。

 今回、研究会に参加させて頂いて大事だなぁと思ったことは、総論賛成、各論反対にならないために共有できる概念と、実際の具体的な現実の動きをどのように整合性をとっていけるかということでした。そのことに対して、いろいろと考究する光をたくさん頂いた気がします。
 
 研究会後は懇親会にも参加させて頂いて、研究会とは違った楽しいお話をさせて頂きました☆ありがとうございました☆



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2009年07月09日

フードツーリズム研究セミナー

 今日は終日から、僕の体感としては今年最大の蒸し暑い一日奈良でした(笑)

 午前中は研究と休息に励み、午後からは奈良県工業技術センターに奈良の地域ブランド化で関わらせてもらっている「ひしお」の会議があり、参加し、その後は、大阪で行われた大阪観光大学観光学研究所主催のフードツーリズム研究セミナーへと足を運びました。

 フードツーリズム研究セミナーでは、「道頓堀に見る、飲食業の環境変化と経営戦略」と題して、総合食堂として名を馳せたくいだおれの創業者のお孫さんにあたる方のご発表をお聞きさせて頂きました。
 発表では、道頓堀の歴史と総合食堂としてのくだおれの創業からの歴史を織り交ぜていろいろと貴重なお話をお聞きでき、とても勉強になりました。しかし、残念なのは、総合食堂としてのくいだおれは去年(ちょうど明日にあたります)に閉店してしまい、59年の歴史の幕を閉じたことはあまりにも有名です。発表者の方は、その原因もクールに客観的に分析されておられてたのが、研究発表とはいえとても印象的でした。
  
 そうしたいろいろなお話を聞いている中で、フードツーリズム研究としての視点で感じたことは、道頓堀ならではの魅力は一体何だろうか?ということでした。
 ご存知の通り、道頓堀は江戸時代から、芝居が盛んな土地柄で、芝居の幕間(まくあい)に食べるものとして考案された幕の内弁当の語源としても有名です。

 時代の状況にもよるかもしれませんが、やはり、大阪道頓堀ならではの「食」と考えた時に、僕達が一般的に大阪に対して思い浮かべるような食だけでは、観光としての食の発展はなかなか難しいと思いました。
 観光としての食を考える時は、やはり、その地域でたべることに意味をもたせなければなりません。そうでないと、大阪で食べても、奈良で食べても、京都で食べても、東京で食べても、食べるという行為そのものには変化がないからです。変化がないとすれば、観光という活動をするにあたっては厳しくなってきます。

 観光における食というのは、決して、食そのものだけに足を置きすぎてはいけないように思えます。もちろん、食そのものは大事なのですが、食と一緒に育まれたその地域ならではの文化が、食と共に2軸でないと、流通が発達した現在において「観光」にいって食べるという価値は減ってしまうように思えるからです。
 
 道頓堀でいうなら、大変だろうけど、芝居という江戸時代から隆盛してきた文化と一緒にどれだけ(例えば幕の内という概念で)食と文化を捉えて、道頓堀で表現・具現化していけるかということが、観光としての食の魅力になると思ったのですが、あまりに現実の厳しさを知らないものの発言だなぁ…とも思います。
 けど、それでも、「観光」においての食は文化がないと面白くない!というのが僕のスタンスなのですが、いかがでしょうか。


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2009年07月08日

地域研究会

 本日は、奈良大学地域連携教育研究センター主催で行われた第13回地域研究会で、「食文化の地域ブランド化を通じた観光産業化」と題して、奈良を事例として研究発表をさせて頂きました。奈良大学は今年の4月からご縁を頂いて、いろいろとお仕事をさせて頂いてまして、そのご縁から本日の運びとなりました。

 内容は奈良の地場の食産業の観光産業化というところに焦点をあてて、観光産業化に至るまでに行われる「やりとり」を奈良で行われている食文化の地域ブランド形成過程の中に見出し、共に協働していく関係性からなる信頼性が、地場の食産業の観光産業化に非常に有効に作用するということをお話させて頂きました。
 なかなかまとまりが悪くて、どれほど研究会に寄与できたのだろうか…と思っていたのですが、お聞きして頂きたい研究者の方々から、ご示唆になるご意見を多く頂けて幸いでした。

 発表してレスポンスをうける中で再確認させて頂いたのは、食文化の地域ブランド化、地場の食産業の観光産業化というのは、今、各地域において盛んにとり行われていますが、重要なのは商品の開発のみに止まってはいけないということです。
 もちろん、商品の開発はとても大事なことなのですが、商品の開発を通じて、その地域ならではのものを、多くの方々が関係をもてる形で、信頼を大事にしながら作り上げていくことができた時に、はじめて、「地域」というキーワードが使えるのだと思います。

 食文化の地域ブランド化を通じた観光産業化までの過程には、簡単に理論化・一般化できないぐらいに様々な諸条件・諸相が織り成されていて、そうしたひとつひとつの事実と想いを汲み取っていきいたいなぁと節に思いました(言うは安し、するは難しですが…)。
 


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2009年07月04日

よき一日

 今日は、お昼から同志社女子大学でお世話になっている学会の支部研究会があり、参加してきました。僭越ながら、研究発表もさせて頂き、地場の食産業の観光産業化に関する研究で、特に、観光をつくりあげるコーディネーターの重要性に焦点をあてて発表をさせて頂きました。
 
 研究会は15人ほどで時間もたっぷりと取って頂いたので、コメンテーターをはじめとした聴衆の方々から、じっくりとご示唆・ご意見を頂くことができました(ありがとうございました☆)
 特に、観光におけるコーディネーターの議論はとても活発になりました。観光においてコーディネーターの存在はとても重要な存在で、コーディネーターが観光の対象となるそのものを、どのようにみせるかということで、観光の現場で起こる価値は大きく変わるといえます。
 
 やはり、観光における食というものをどのようにみせていくかということを考えないと、わざわざ観光に来て食べなくても、今の時代、お取り寄せや通販、自分で料理したりといった形で、自宅や観光地以外でも食べることができます。
 
 「その場所で食べる」ということの意味と満足度を、どれだけコーディネーターがコーディネートできるかといったことが「地場の」食産業を観光産業化していくにあたって重要な道しるべとなるなぁと、発表を通じてさらに思いました。

 発表後は、学会会員が経営しているイタリアンレストランで会食をより、いろいろなお話をまた活発にしました。そして、その後は、うちの研究室の会合があり、急いで京都駅に直行。走ったので汗だくになりながら(笑)自己紹介をして、ご卒業された大先輩方、学部生の後輩方、先生方と楽しくお話をさせて頂きました☆



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