2010年02月

2010年02月24日

伝心

 カナダバンクーバーでの冬季オリンピックが盛り上がりを見せています。僕も論文執筆を一旦脇において、ついつい見入ってしまう毎日です。その中でも、特に面白い競技としてみているのがカーリングです。様々なメディアで取り上げられているので、かなり有名になってきていますよね。カーリングそのものの競技内容が面白いことはもちろんですが、僕はそれ以上にカーリングの競技中における様々な「見せ方」に関心をもっています。

 例えば、今回のオリンピックでのカーリングを行う会場には、100以上のマイクが設置、選手にもピンマイクが付けられていて、会場でのやりとりがテレビを通じて聞けるように工夫がされています。こうした工夫は、見ている人々を会場へと近づけて臨場感を高めることになります。なにより、カーリングというスポーツをオリンピックを通じて多くの方々にわかってもらいたい、知ってもらいたいという思いが伝わってきます。
 
 カーリングは決して世界的にはメジャーなスポーツとは言い難いですが、そうした現状に対して、少しでも多くの人々に興味をもって見てほしいと想い、会場を作っているのかなぁと思います(もちろん、カナダバンクーバーにおいてそうしたことができる背景には、カナダがカーリングの世界ランキング1位で、カーリングが盛んに行われてているということがあって、こうした環境を作りやすくしているということもいえます)。

 カーリングの会場運営をみていて、カーリングの魅力をオリンピックを通じて世界に「伝えたい」という想いが伝わってくる感じがして、これはいろいろな物事に対して普遍的に必要なことだなぁと思い、論文執筆に戻っています。


2010年02月21日

食と農のシンポジウム

 今日は、神戸学院大学のポートアイランドキャンパスで行われた産消提携国際シンポジウムに足を運びました。

Image396←神戸港にむけて空がひろがっています。











 産消提携シンポジウムは、フランス・ポルトガルとで第1、2、3回の大会が行われ、第4回目としての日本大会になります。
 産消提携は、一般的にお店で売っているような形態とは違う形で、消費者と生鮮食料品を作っている方々とをダイレクトにつなげて、やりとりすることをいいます。
 こうした取組みは、これまでに様々な形で全国各地で行われています。シンポジウムの内容は主として、環境に極端に負荷をかけない農業から作られる食べ物を、直接、食べてもらう消費者に届けることに苦心されている現場の方々からの報告を中心に行われました。


Image411←熱心に多くの方々が参加されていました。










Image408←唐突ですが、お昼休みの昼食。いい天気です。












 一日参加していましたが、あっという間に時間が経ちました。シンポジウムでは、いずれの方々も現場で苦心されて様々な取組みを行っている中からのご発表で、学ぶところが多かったです。しかしながら、気付いた点として、個々の事例のすごさは伝わってきたのですが、もう少し産消提携の枠組みと、今後のビジョンとして野心的な提言と一体感を感じれればと思いました。

 産消提携というものを、日本の中に、わかりやすくどう位置付けられるのか。さらにどこまで全体の枠組みとして目指していくのか(例えば、国内自給率の何パーセントまで寄与するのか、そのためにはどうするべきなのか)といった明確な全体像のビジョンが抽出できればもっといいなぁと思いました。
 生意気なことをいいますが、日本の中にどう位置付けるかということを、これまでの歴史過程をふまえて、具体的に提言し、一体感をもっていくことこそ、シンポジウムらしいと思うのです(とても難しいことなのですが…)。

 またシンポジウムでも課題として出ていたのですが、産消提携は個々の地域としてはかなり活発に行われているのですが、地域外とつながる視点(横のネットワーク)が弱いということも課題として挙げられます。日本の産消提携は、縦(消費者−生産者)のつながりは強固なのですが、横(生産者同士)のつながりが少なく、そのため、多くの消費者を巻き込みにくいようにも思えます。

 こうした課題に対して、これらを取りまとめる中間支援組織が必要ではないかなぁということを思いました。最適なバランスを取れる中間支援組織を作っていくためには何が必要なのか、これは、産消提携に限らず、今僕が取り組んでいる食産業の観光産業化の研究においても重要なキーポイントなので、しっかりと煮詰めていけたらと思います。

Image415←帰りの神戸港はとても綺麗な佇まいをみせていました。最近、日が少しずつ長くなってきていますね。




2010年02月20日

農林・観光の予算

 突然ですが、今の時期は各都道府県の新年度の予算案がまとまって報告されることが多いですよね。情報の発信のされ方としては、全体の総予算、その内訳(財源の割合、自主から県債か等)、どういった事業に予算がついたのかということが主になります。

 そうしたいろいろな予算案をみていると、特に農林・観光関係の予算は何かを作ること(例えば、農林業に関する産物や担い手の育成等)に予算を配置しているのですが、作ったものをどのように発信・提供していくかという視点で予算がつけられていることは少ないように思います(公共事業関係においても同じことがいえると思います。)。
 もちろん、予算案となる項目の中に、そうしたことも含まれているとは思うのですが、今までの流れからしてみても、いささか「作ること」に重きをおかれていて、つくったものをどのように発信・提供していくか(物の場合、いかにして売っていくか、あるいは使ってもらうか)ということの視点が弱いように思えます。

 例えば、農業や林業が大切であるということについて、反対する人は少ないと思います。誰でも農業や林業は大事なことであると思っていると思います。また奈良県においていえば、農林業はもとより、観光についても観光が基幹産業として育っていくことに異論を唱える人は少ないと思います。
 けど、農林業、観光が大事であっても、一体何がどのように大事であるかということを、そのことに携わっている以外の「専門家ではない人」に、わかりやすく、しかもやっぱり大事だと思ってもらえうように伝える事はかなり難しいことです(聞く人は「専門家でない」わけですから)。
 
 その業界の専門家は、その業界の専門家とお話する機会が日常的に多いため、自分たちが使っている用語や微妙なニュアンスは、所与のものとして捉える傾向があるように思います。けど、農業、林業、観光で大事なことは、日常においてこれらに接点が少ない方々にわかってもらい、使ってもらい、買ってもらい、来てもらうことが重要になります。
 となれば、専門家ではない人に、専門家が作ったものを理解してもらい、使ってり、買ったり、行ったりしたいと思ってもらえる伝道師(コーディネーター)を育てていく事が重要になるのではないでしょうか。

 こうした伝道師を育てていくためには、専門家の中でずっと育ってきた人ではなく、専門外で育ち、専門なものに興味があり、かつ、自分自身もその専門のものを使ったり、買ったり、行ったりする消費者でもあることが重要になります(専門家は専門すぎて、自身が専門ということを気付けない場合が多いからです)。
 自分には専門すぎて、専門外の人のことが「わからない」という視点を積極的にもつ勇気ある姿勢で、専門外の人に任します、けど、責任(予算)はうちがもちますというような予算配置が必要ではないかと思います。また、こうしたことに重点をおいたメディアからの情報発信や議論も大事だと予算案をいろいろと見ていて思いました。


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2010年02月19日

『卒論』

 今日は、研究室の学部生の卒論発表会が行われ、僕もとても楽しみして聞きにいこうと思っていたのですが、奈良で急に研究の仕事が入り、残念ながら参加することができなくなってしまいました…
 以前から学部生のゼミや研究内容を聞いていたので、卒論発表会でどこまで研究を追究したのかということをしっかりと聞ければと思ったのですが残念です。
 
 あまりに気になったので、仕事が終わってから大学院生の後輩に電話で発表の様子を聞いたところ、まだまだなところもあったけど(辛口コメント、笑)、いい発表だったという知らせを受けました。うーん、参加できずに改めて残念。卒論自体は後ほどしっかりと読ませてもらいたいと思います。また学部生から3人ほど大学院に進学するということで、来期から一緒にゼミができるのも楽しみです。

 加えて、ふと、僕の学部の卒論執筆のことを思い出しました。学部時代のゼミも恩師と研究同志に恵まれて、ゼミの時間ほど楽しい時間はありませんでした。通常、1コマ1時間半ですが、僕の所属していたゼミは、平均で2時間半は軽く超えていました。かなり、夜遅くなることもあって、守衛さんが「そろそろ時間なのですが」とゼミ会場であった恩師の研究室をノックしてくるほど、熱い時間を同志と過ごさせて頂きました。
 
 当然といえば当然のことですが、そうしてゼミが活発になっていた要因としていえることは、ゼミ生各人が自分の興味をもった研究テーマを最初から自身に内在して、ゼミがスタートしていたことです。ゼミがスタートして研究テーマをもつのではなく、ゼミがスタートする前にしっかりと準備運動を各人がしていたので、ゼミは真剣勝負の場と化し、様々な真剣で切り合う迫力いっぱいの場になっていました。
 もちろん、ゼミがスタートしてから研究テーマを探り当てていくということも悪くはないことなのですが、なるべく、大学1年目、2年目の間に自身のテーマを見つけるという準備運動を行っていると(僕の学部のゼミは3回生からでした)、ゼミスタート時から大いにゼミを楽しみ、学ぶことができます。

 僕はそんな準備運動をしてきたゼミ同志に恵まれ、さらに、その準備運動をしてきたせいか、かなり荒馬な(笑)ゼミ生を、クールで豊かな知性と冷静な判断力でコントロールする恩師に恵まれたおかげで、最高な学部時代とゼミと卒論を自身の経験値に加える事ができました(卒論のできはさておき、苦笑)。
 僕はこの時に過ごさせて頂いた時間が、今の道を歩く推進力になっていると、ずっと思っています。


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2010年02月17日

連周

 先日のバレンタインデーのおかげで、チョコレートの糖分に助けを頂きながら(出所は身内ばかりですが、笑)、今週は論文・原稿執筆に励んでいます。
 甘いものが大好きな僕にとってチョコレートはとても嬉しいプレゼントです。ところで、バレンタインデーの由来は、様々な視点からの諸説があって、賛否両論の意見がありますよね。僕は最近までは、チョコレートが好きだとはいうものの、チョコレート業界の戦略だ!なんて息巻いていましたが、最近は例えそうであっても、チョコレートをあげたり、もらったりすることで、いつもとはまた違った心のコミュニケーションがとれるいい機会に捉える方がいいなぁと感じるようになりました(もらう側がいうのも恐縮ですが)。

 確かに、一見、いろいろと考えたりしたりして面倒であったり、また、いやおうなく世間の流れに乗ってしまっていわゆるお義理な感覚もあって辟易することもあるかもしれませんが、そうした機会を前向きに捉えることは、しなやかで配慮があって、素敵なことだなぁと思うのです。
 加えて、そうしてチョコレートをプレゼントをするという行動は、その関係産業に対してエールを送る事にもつながります。えらそうな言い方かもしれませんが、バレンタインデーを明るく過ごす姿勢は、その関係産業界で働く人々を応援することにもつながると思うのです。

 バレンタインデーという日に関わるいろいろな人々の背景を大事にできるような捉え方で、その日を楽しめたらいいなぁと今年のバレンタインデーを通じて思いました。
 ということで、頂いた方々には、ホワイトデーにしっかりとお返しをすることを誓います(たぶん、笑)。


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2010年02月13日

帰京奈

 無事に講義が終わり、自宅に戻りました。講義は、講義を行うまでにご協力を頂いた方々のお力と受講者の力量の高さに恵まれ、とても円滑に進める事ができました。学部生の方々と講義を通じてやりとりをする中において、学ぶ事、深化することは計り知れないものがあります。また来期もこのことを活かしていきたいなぁと思います。

Image320←講義期間は暖かく晴天に恵まれました。











Image339←帰りには、名古屋駅近くのお店で、鉄板焼の味噌カツと…










Image340←名古屋コーチンの刺身をご馳走になりました☆












 味噌カツは鉄板焼きになっていて、カツの下に敷かれたキャベツが熱されて、とても香ばしく、味噌カツとベストマッチでした☆刺身はしっかりとした噛みこだえがあって、肉の旨味がじゅわぁーと口の中にひろがります。名古屋コーチンの特徴である肉質の良さがとてもしっかりしていて、かつ、お値段もリーズナブルで大いに堪能させて頂きました。

 まだまだ未熟なところも多いのですが、きちんと良い仕事をこれからも続けて、美味しいなぁと思える食事が取れて、そのエネルギーをもってまた精進していくというサイクルの中に身をおいて励んでいきたいと思います。


2010年02月11日

名古屋

 先日の群馬県の高崎によった足で、名古屋に非常勤講師の仕事に向かいました。

Image285←新幹線で移動中。今週は新幹線に乗る機会が多く、席がオフィス化しています(笑)。けど、なぜか新幹線の中では仕事がはかどるんです。高速移動が脳を活性化させるのかな(笑)








Image306←無事に名古屋に到着。写真は、名古屋のテレビ塔です。撮影した目の前では、臨時のスケートリンク場があって、皆さんご家族や恋人同士で楽しくスケートを楽しんでいました☆








 名古屋での非常勤講師のお仕事は、学部母校の奈良県立大学の先生から紹介して頂いた大切なお仕事です。講義の準備にあたっても紹介して頂いた先生や学部の恩師にお世話になって、円滑に準備させて頂きました。改めて、講義をすることの難しさやその膨大な準備の必要性を痛感します(けど、学生を前に講義すると楽しさと嬉しさが勝ってしまいますけど☆)。集中講義なので今日から3日間精進させていただきます☆


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2010年02月10日

『相対』

 月曜日、火曜日と群馬県の市立高崎経済大学に足を運びました。

Image295←小春日和ないい天気です。











 今年に入ってから高崎経済大学にはご縁があって、3回目の訪問になります。一回目は講義のゲストティーチャーとして、2回目は学会発表で、そして、今回はいつもお世話になっている先生の卒論発表会に参加させて頂きました。

 卒論発表会は、発表者以外にも多くの学生たちが聞きにきておられて、とても活気がありました☆と、同時に、お世話になっている先生の研究指導力、また研究発表を行う学生の真摯な研究への取り組みがとても印象的でした。発表された学部生の方々は、ゲストティーチャーで訪れた際に、少しだけですが、研究についていろいろとお話をさせてもらったこともあり、勝手ながら感慨深く聞いていました。こうした教育の仕事をいつかできたらいいなぁと思います。

 発表会終了後は、慰労会に参加させて頂きました。電車の時間も迫っていたので長くは参加できなくて残念でしたが、とても楽しませて頂きました。
 先生、高崎経済大学の学部生の皆様、ありがとうございました☆


2010年02月06日

つながり

 昨日と今日とで京都にあるくらしと協同の研究所からお話を頂いて、全国で産直を取り組んでいる生活協同組合、株式会社、農事生産法人の方々のお話を聞かせて頂きました。

Image268←会場場所は東京なので、新幹線で。富士山が綺麗でした☆








Image263←会場は多くの方々で活気いっぱいでした。









 ご存知の通り、産直は産地直結取引、産地直売、産地直送といった表現で、生産者と消費者とのつながりを積み重ねていくことを重視した取組みです。産直には全国で様々な取組みの歴史と流れがあります。そうした中、第一線で産直に取り組んでいる方々から多くのご発表を聞かせて頂き、研究を深化するヒントを多く頂きました。

 ある点とある点がつながるとき、その過程にあるものはシンプルな人の移動だけではなく、見せたい、伝えたいと思うものに人々が接するに至るまでを、どれだけ丁寧かつ細心に準備していけるかということではないかなぁと思います。そのためにどのような準備・状態・情態が必要なのかということが、研究どころになると思いました。
 
 明日は、論文執筆と講義の準備をして、月曜には、ふたたび東京を通って群馬での研究発表会させて頂き、帰りは愛知によって講義に精進させてもらう予定です。立春は過ぎてもまだまだ寒いですが、熱く闊歩したいですね。


syokugi at 22:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!研究 | 食文化

2010年02月02日

閃き

 今日は大学のゼミで研究室に足を運びました。ゼミ終了後は、来週に行う講義の準備をして、終わってから京都の丸太町に移動して研究会に参加。研究会に参加するととてもいい刺激を受けていいアイディアがぱっとでて、頭の中がすっと流れるような感覚がたくさん訪れます(擬音が多いですが、笑)。それもこれも一流の大先輩研究者の方々のおかげです☆
 その後は遅めの新年会で楽しく時間を過ごさせて頂きました☆

syokugi at 23:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!研究