2010年09月

2010年09月30日

多くを感じるということ

 先日、奈良県立大学で行われた研究会で、京都大学の研究員の方がご発表されたケニア共和国の観光業についての研究発表を聞かせて頂いた際に、ケニアの北部の乾燥地域で牧畜を営んできたサンブルという民族出身の方も来られており、研究会が終わった後の懇親会の席で、いろいろとお話をさせて頂きました(スワヒリ語なので、研究発表された方が通訳をして頂いてですが)。

 その中ですごいなぁと思ったのが、例えば、僕達が時間を確認する時は、時計を見て確認するのが一般的ですが、サンブルの方は、太陽の位置等をみて時間を五感で確認した「後」に時計をみてやっぱりあっていたという確認をするという、自然→身体→時計という順序をもっていることです。現象や語彙を理解する時、そこに含まれる意味がひとつではなくて、驚くぐらい多様で、その多様さを感じ取れる豊かさを心身に宿しているということをひしひしと感じました。

 そうしてお話をしている中で、日本についての印象や食べもののことについて聞いている時に、ふと、僕自身の印象についてお話して頂きました。彼は、僕をじっとみたその後に、「あなたは、一見して怖そうにみられるけど、心には怖いものがなく優しい人。でも人には怖い人と誤解されるかもしれないけど、そうではない」と言ってくれました(あたっているのかな?、笑)。

 と、僕のことはともかくとして、ひとつのことから、多くのことを感じることができる力は、もちろん日本においても長らく大事にされてきて生活の一部として内在してきた感覚だと思いますが、そうした感覚がだんだん衰退しているということはよく聞き、また僕自身もその感覚が豊かではないですけど、実感として感じることが多くあります。こうした感覚をどうしたら涵養できるのかということを考えて実践していくことは、今の日本に(話が大きくなりますが)とても大事な気がします。


syokugi at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!研究 

2010年09月29日

研究会

 今日の午前過ぎまで奈良県庁に用事があってでかけて、午後から学部母校の奈良県立大学で研究会があり、ご参加させて頂きました。奈良県立大学は、卒業してからも先生方にいろいろとお世話になっており、そのご縁でいつも研究会のご案内を頂いています。

 研究会は、観光が社会・文化に与えるインパクトについて様々な切り口から発表し、議論されます。本日の研究会もとても刺激的な発表を聞かせて頂いて、様々な議論をさせて頂きました。と、同時に、自分の不勉強さを露呈する質問もかなりしてしまい、研究会の議論の質をかなり落としてしまいました…。学術的レベルが高次元にある研究会では、自分の浅学が自分のくだらない発言によって完全に露呈され情けない思いをいつもしてしまいます。

 けど、そうした自分の未熟さを気付かせてくれる先生方の薫陶から、また精進していこうというエネルギーを頂いています。高いレベルの研究会は僕にいつも学びの原点と自己の傲慢さを気付かせてくれて、精進すべき方向性を示唆してくれます。


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2010年09月27日

美山と観光

 今日は、うちの大学の研究室が主体となって行っているNPO法人が主催で行った京都府南丹市美山町にあるかやぶきの里の現地視察にスタッフとして同行しました。

Image5174←快晴で秋桜も咲き始めていました。












 美山町のかやぶきの里は、多くの観光客も足を運ぶところで、僕も個人的には行ったことがあるのですが、今回のような視察という形である程度の人数と現地の方々にご案内してもしてもらいながらの訪問は初めてで、観光ツアーとして行った時にみえる美山町の在り方を再確認できました。そして、観光というものは改めて難しいなぁとも。

Image5184←お昼は、鹿肉をメインとした料理を頂きました。










 スタッフとして至らない点も多くて恐縮でしたが、美山町へのこうして足を運んだことをまたいろいろと活かせる気がします。精進せねば!です。
 

syokugi at 23:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!研究 

2010年09月20日

「ラムカレー」

 暑さもやっと一段落してだいぶ過ごしやすくなりました。この夏の暑さは僕の相棒のもこたえたみたいで、かなり動きがにぶくなり、お仕事に苦労しました(相棒=PC)。けど、最近は快調に働いてくれてて感謝感謝です。そんな相棒と一緒に今日は自宅でいろいろと作業をしているとお腹が空いたので、パワー補給にラム肉のカレーを作りました。

Image4706←ラムと玉ねぎとにんにくに、パセリ、バジル、マジョラム、ベイリーフ、タイムの香辛料を加えてつくるシンプルなカレーです。このままでもとても美味しい味に仕上げっていました☆







Image4710←そこにカレー粉をいれて…













Image4715←完成です☆












 圧力鍋でつくったのでラム肉がいつも以上に柔らかで、いい出汁がカレーに出ていて美味しく、またスパイスの香りもとても楽しめました(自画自賛ですが、苦笑)。
 いいラム肉とスパイスに恵まれたお昼ごはんでした☆



syokugi at 15:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!日々 

2010年09月16日

『農業』

 本日は、研究調査で広島へ足を運びました。

Image5116←奈良からは新幹線を使って2時間半ほどで着きました。じつは20数年ぶりの広島です。












 今回は広島へ訪問させて頂き、生協ひろしまの農業への取組みについていろいろとお話を伺いました。生協ひろしまは、地産地消の推進、地域農業の活性化等の視点から2010年7月に農業生産法人を設立して、積極的に地域農業に参画していく体制づくりを行っています。日本の農業については、様々な切り口から多くの議論があることは周知の通りです。僕も食を追究していくにあたって農業はいうまでもなく重要ですので、各地域の様々な取組みを注目させてもらっています。
 そうした中で生協ひろしまの取組みは、身近な地域の農業を少しでも消費者の方々にむけて発信していきたいということをコンセプトとして、農事生産法人を設立されました。

 設立までの過程における具体的な取組みについていろいろとお話を聞かせて頂いて、生協が関わることで地域農業に資する部分がとても多くあると感じました。
 いろいろとお話をお伺いさせて頂いた中で、生協が農業を行うことでの良い点は、生産した農作物を自らの販路をもって、消費者に届けることができるいわゆる6次産業のような形がつくりやすいことや、実際に農業を行う事で、地域内の身近なところで消費者の方々に農業を感じてもらえる場を提供したり、または、消費者の目線で農業とのコミュニケーションを取れるといったことが見えてきました。

 一方、上記の良い点に加えて、生協が農業生産法人を設立し、その形成過程におけるいろいろな進め方を聞かせて頂いた中で感じたことがあります。それは、生協が農業をはじめるにあたり、様々な物事が比較的スムーズに進むということです(もちろん、スムーズといっても現場でのご苦労は僕なんかでは窺い知れないものがありますが…)。やはり、生協が農業を行うといったことは、個人で農業を起こすということとは様々な点でスムーズさが異なってきます。生協が農業を行う一方で、農業を志し、精進していきたいという様々な個の力を生協が受け皿となって進めていくことも、とても生協らしい農業への関わりかたかなぁと思います。生協ひろしまの方々にそうしたお話をさせて頂くと、「そうしたことも視野に入れてやりたいと思っているのです」と、先見の明をもったご返事を頂き、発言したことが恥ずかしかったです(苦笑)。
 こうしていろいろとお話を2時間ほど、じっくりと聞かせて頂き、とても有意義なお時間を過ごさせて頂きました。


Image5131←お話をさせて頂いた後は、夕食をご一緒させて頂いて、お好み焼きをご馳走になりました☆多謝多謝です☆









Image5133←牛の肩と脛(すね)の間の部位を焼いた「コウネ(広島の方言)」を頂きました。食感と脂に甘みがあり、美味しく頂きました☆











 多くの着想と味を頂けた広島訪問でした☆



2010年09月13日

『料理人』

 東京での調査の帰りに、ちょっと用事があったので静岡で途中下車しました。東京−京都の間ではどこでも途中下車できるので立ち寄るには嬉しい限りです。無事に用事を済ますとちょうどごはん時だったので、静岡駅近くにあるイタリアン料理のお店に足を運びました。足を運んだお店は以前、静岡に訪れた時にも伺ったお店で今回もとても美味しいお料理を頂きました。
 特に美味しかったのが…

Image5078←カジキマグロのソテーです☆(腕が悪くて陰が写っていますが、苦笑)








 ソースの味がとても素晴らしく、そして何よりカジキマグロの火の通し方が絶品でした☆よくマグロに火を通しすぎるとかたくなったり、ぼそぼそになったりするのですが、頂いたものは口に入れた瞬間ふわっととけてなくなるぐらいにの細心な柔らかさをもった身になっていました。
 今まで食べたカジキマグロはもとより、マグロに熱を通したお料理としては最高でした。真の料理人がもつ食材との対話と技術の高さには本当に脱帽です。マグロの漁獲高が日本有数な静岡県で、そのマグロを使った素敵な料理で素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。



2010年09月12日

『先来』

 先週、一週間は東京都江東区ある東京ビッグサイトで行われたイベントに参加して、調査を行ってきました。自炊ができないホテル暮らしはちょっとしんどかったのですが、とてもいい調査ができました☆

Image4928←東京ビッグサイトです。奈良から3時間ほどで着きました。








 東京ビックサイトでは、グルメ&ダイニングショーという日本全国の食を中心とした品が集まり、広報・PRして事業間取引を活発にして商いを進めていくイベントが行われ、そのイベントに奈良時代に充足、発展した醤油の始原である「古代ひしお」が出展されました。今回は調査は、事業者が地域ブランドとしての古代ひしおに対してどのような価値判断をされるのかという視点をもって行い、とても興味深い調査ができました。

 そして、こうした調査でいつも思うことは、調査を受けてくれる人の優しさや調査をみんなで協力して行う事による一体感、充足感です。多くの方々のおかげで調査が成り立っていることはもちろんのこと、イベント自体もそれぞれができる限りのことを精一杯行って、各自の立場で貢献することによって、物事が成立しているんだなぁと思います。加えて、さすがは東京というべきか、ほんとにいろいろな方々が来られており、とても魅力的、かつ、精力的に活動・お仕事されている方々といろいろとお話することができて素敵な刺激を頂きました☆

 さっそく今回の調査結果を早急にまとめていかねば!と思いつつ、論文を2つと他の研究調査1件を同時進行して行っていかなくてはならず(しかも締切が近い…)、寝てる場合じゃない、というぐらいの気持ちで今週も精進しなくては、です。



syokugi at 22:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!研究 

2010年09月01日

共同研究機関

 昨日と本日は、京都にある総合地球環境学研究所国際日本文化研究センターに足を運びました。

Image4868←京都市北区にある総合地球科学研究所です。









Image4870←素敵な森に囲まれています。










Image4873←お邪魔します。











 総合地球環境学研究所では、現場で活躍している方々がその現場の「知」を伝えるべく、いろいろな研究会、セミナー、シンポジウムを行っています。この度は長らく日本の生活空間を区切ってきた土壁をテーマに、伝統的な技法を用いて様々なお仕事をされている左官職人の土、伝統、技術、環境を軸とした現場でのお仕事についてのお話を勉強しにいってきました。一見、自身の研究テーマとは違うようにもみえるのですが、底に流れる水脈は近く、とても刺激的でかなりノートに「ふむふむ」とかいいながら(笑)いろいろと記させて頂きました。伝統的な技法を受け継いでお仕事をする素晴らしさを改めて実感します。

 ところで、ふと気になったことがありました。それはお話を聞いていた周りの人はほとんどメモも取らず聞いている姿です。研究会、セミナー、シンポジウム等々に行く度に思うのですが、その度にかなりの人はメモもとらずひたすら聞いていることが多いように思えます。もちろん、メモを取らなくても直接大事なことを頭で覚えていける方々ばかりで、メモを急いで書いて現場が出す臨場感に浸ることをしないというのは、三流のやることかもしれませんが、それにしても何か違和感を感じるのです(出来の悪いもののひがみかもですが、苦笑)。


 そして、翌日は国際日本文化研究センターに足を運びました。

Image4889←とてもよく晴れています。












Image4890←到着です。












 国際日本文化研究センターには大学院教育機能があり、大学院博士後期課程の学生が多数在籍しています。その方々の博士論文の発表会があり、とても興味があるテーマだったので公聴させて頂きに足を運びました。国際日本文化研究センターにはご縁があって、ここ数年足を運ぶ機会を多く頂いています。博士論文発表会はとても刺激的な知の格闘が繰り広げられていて、発表を聞きせてもらいながら、いろいろな着想が浮かんできたので、しっかりと頂きました。クオリティの高い発表を聞かせて頂くと、いつもそのおかげでいい着想が浮かんできます。うーん、いつか僕も誰かに着想をプレゼントできるようなクオリティの高い発表がしたいです(まだまだ修行不足ですけど、苦笑)。



syokugi at 20:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!研究